
福島県北塩原村にある諸橋近代美術館は、日本建築家協会(JIA)東北支部による審査を経て、2025年12月19日付で「JIA 25年建築選」に登録されたことを発表した。
「JIA 25年建築選」登録の背景

上が竣工当初。下が現在の諸橋近代美術館の様子。
「JIA 25年建築選」は、25年以上の長きにわたり建築の存在価値を発揮し、美しく維持され、地域社会に貢献してきた建築を登録・顕彰するもの。
諸橋近代美術館は、郡山市の「清水公夫研究所(一級建築士事務所)」による設計のもと開館した。磐梯山の豊かな自然に調和した中世の馬小屋をイメージした建築は、1999年6月の開館以降、これまでに137万人以上もの人が来館し、地域の人々に親しまれてきた。また同時に、これまでの定期的・計画的なメンテナンスを重ね、美観と存在価値を維持してきたことが今回の登録へと繋がった。
登録証には「この建築が地域の人々に愛され、地域の誇りとして長く存続し、利用されることを期待します」との言葉が添えられており、同館の歩みとこれからの役割を再確認する機会になったという。
現在、改修工事を実施中

2027年4月の再開館に向けて工事中の内部の様子
諸橋近代美術館は、多様化する社会の中で美術館が果たすべき役割を見据え、建築が未来に向けて生き続けていくために、現在改修工事を行っている。
今回の登録理由でもある「建築の永続と価値の維持」を具現化するため、建物の基本構造はそのままに、展示室内空調設備の刷新や展示照明器具のLED化など、作品保全と利便性の向上を図るための設備を中心にアップデートする。
これまでの丁寧な外観メンテナンスに加え、今回の設備改修を行うことで、次の世代へ確実につなぐことのできる、より持続可能で開かれた美術館を目指す。
改修工事終了予定は12月、再開館予定は2027年4月頃。なお、今後の進捗等により予定が変更となる場合がある。
美術館の総務部設備管理主任のコメント

現在、改修工事中の館内にて/2026年5月撮影
諸橋近代美術館の総務部設備管理主任の棚木傑氏は、「諸橋近代美術館がこのたびJIA25年建築選に登録されましたことを、大変光栄に感じております。開館以来、時を経てもなお高い評価をいただけるのは、美術館の理念を丁寧に建築として具現化してくださった清水公夫研究所をはじめ、建設・運営に携わってこられた多くの方々のお力添えの賜物です。心より感謝申し上げます。
現在、当館では2027年の再開館に向け、施設環境や展示空間のさらなる充実を目指した取り組みを進めております。自然と建築、そして芸術が響き合うこの空間の魅力を未来へ受け継ぎながら、新たな価値を創出し、多くの皆様に愛され続ける美術館を目指してまいります」とコメントしている。
「JIA 25年建築選」に登録された諸橋近代美術館の再開館を楽しみに待とう。
■諸橋近代美術館
住所:福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093-23
公式HP:https://dali.jp
(ソルトピーチ)